「タンゴの後で」あの衝撃作でトラウマを抱えた女優マリア・シュナイダーの絶望を描く
本作のジェシカ・パルー監督はこう語っている。
「マリアは、虐待を告発した最初の女優の一人でした。しかし、当時は誰も彼女の声に耳を傾けませんでした」「マリア・シュナイダーの物語は私にとって特別でした。私は誰かを責めたり、裁いたりするのではなく、この出来事の『遺産』に向き合いたい。そして、彼女の視点を通して、この社会を新たな角度から描き出したいのです」
マリア・シュナイダーは2011年に58歳の若さで死去した。
映画をめぐる性被害といえば、2017年に始まった「#METOO運動」が思い出される。マリアの事件はそのはるか昔に起きた悲劇だった。本作のあとに「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」(2022年・米国)を見ることをお勧めしたい。(配給:トランスフォーマー)
(文=森田健司)