五木寛之 流されゆく日々

1932年福岡県生まれ。早稲田大学露文科中退。66年「さらばモスクワ愚連隊」で第6回小説現代新人賞、67年「蒼ざめた馬を見よ」で第56回直木賞。76年「青春の門 筑豊篇」ほかで第10回吉川英治文学賞を受賞。2002年には第50回菊池寛賞を受賞。NHKラジオ深夜便「歌の旅人」、BSフジ「五木寛之『風のcafe』」放送中。日刊ゲンダイ本紙連載「流されゆく日々」はギネス記録を更新中で、16年9月5日に連載10000回を迎えた。著書に「風の王国」「大河の一滴」「他力」ほか、「親鸞」三部作など多数。

連載9990回 お世辞の効用について <1>

公開日:  更新日:

 人はおおむねお世辞を好むものだ。それが見えすいたお世辞だとわかっていても、やはり悪い気はしない。
 おおむね、と書いたのは、まれにではあるが、お世辞にきびしい人もいるからである。他人のお世辞に苦虫を噛みつぶしたような顔で不気嫌になるかたも、時にはいらっしゃる。

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