【平和島編】路地の一角 小窓もない木のドアを開けると…
京急線・平和島駅改札を出て、第一京浜とは反対の方に。駅から左に進むと、個人経営のレトロな定食屋の店内は居酒屋と化し、まだ宵の口なのにすでに赤ら顔の中高年で賑わってた。
ボートレースで儲かったのかしら。車1台分の幅しかない通りには、他にも大衆的なそば屋や築50年以上は経ってるであろうキッチュな外観の古びた喫茶店、全品298円の中華食堂が軒を連ねていて、昭和の時代から手つかずの街並みが残ってたわ。
懐かしい気分に浸りつつ、通りを1本、大森方面へ。スナックや居酒屋の明かりがちらほら点在する狭い路地は、ひっそりとして人影も少ない。
スナックが2軒入った小さなマンションに“おふくろの味”と掲げられた小料理屋らしき看板がポツンと見えた。
看板はあるけど、入り口はどこかしら。殺風景なマンションに足を踏み入れる。突き当たりを右に折れると、建物の奥に古いスナック風の木のドア。小窓もないドアには「営業中」の札が。お店には見えないわね。怖いお兄さんたちのたまり場だったら、どうしよう~。ドキドキしながら恐る恐るドアを引いた。