「テレワークは正社員だけ」…非正規労働者から怒りの声
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために政府が呼びかけ、大手企業などが実施を始めた「テレワーク」だが、非正規労働者から怒りの声が上がり始めた。都内の大手不動産会社で働く派遣社員がこう憤る。
「私の職場は、テレワークは正社員だけで、派遣やパート社員は通常通りの出勤です。理由は、正社員には貸与されている個人パソコンを持っていないからで、勤務時間も新型コロナウイルスの感染前と変わらない。決裁を取るにも、いちいち電話で確認しなければならないし、正直、仕事が進まない。人影もまばらな、ガランとしたオフィスで、同じ派遣仲間らと『私たちは人間扱いされていないのか』と愚痴を言い合っていますが、パート社員はもっと切実。『通勤電車で感染したら手取りが減る』と青くなっています」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、非正規労働者らでつくる全国労組「全国ユニオン」は7~8日、非正規労働者などからの相談を受け付けるホットラインを開設。2日間で相談は99件にも上ったという。
「テレワーク」をめぐる正規、非正規の待遇の違いは違法ではないのか。「全国ユニオン」に聞くと、「本来は、それ(待遇の違い)が違法ではないことがおかしいと思うのですが、今のところ、何か具体的に法の規定に触れるということはありません。ただ、同一労働、同一賃金というのであれば、こうした合理性を欠く待遇の違いについても厚労省はきちんと是正するよう呼びかけるべきです」(担当者)
一体、誰のため、何のための「テレワーク」なのか。