3回目接種“前倒し”で対象者は「数千人→数万人」に…各自治体に渦巻くワクチン大混乱

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 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を巡り、早くも大混乱だ。厚労省は15日、追加接種の時期について、2回目接種完了から「原則8カ月後」としながらも、感染状況による自治体の判断で「6カ月後」を認める方針を専門分科会に提示。接種を担う自治体では戸惑いが広がっている。

「2回目接種完了から8カ月を原則に接種する方針に変わりない」――。分科会から一夜明けた16日、火消しに回ったのは後藤厚労相だ。「6カ月後」の追加接種はクラスター発生などの「非常に特殊な場合」に限定し、「接種間隔を自由に地域の判断で前倒すことを認めるものではない」と強調。17日の自治体向け説明会で、政府方針を伝えるという。

 政府は追加接種について「世界のほとんどの国が8カ月間で行っている」(後藤厚労相)と、「原則8カ月後」にこだわっているが、限定的とはいえ「6カ月後」の追加接種を容認したことに、自治体は動揺を隠せない。来月スタート予定の医療従事者の追加接種に加え、高齢者も対象になる可能性が出てきたからだ。

「無用な競争」につながる

 日経新聞(16日付)によると、練馬区は来月中の追加接種の対象数を5000人弱と見積もっていたが、2カ月前倒しになると7万人強に増えるという。対象範囲が広がれば、接種券の発送時期の変更や、接種会場や打ち手の確保も見直しを迫られる。

 都内区部のワクチン接種担当者がタメ息交じりにこう言う。

「追加接種が2回目の『6カ月後』になったとしても対応できますが、バタバタするのは確実。前倒しによって、数千人の接種予定者が数万人に1ケタ増えますから。『原則8カ月後』とはいえ、自治体ごとに対応が違ってきた場合、住民の間に『隣の自治体では6カ月後にやってるのに、なんでこっちは8カ月後なんだ』と不満が出てくるでしょう。現場は実質的に『6カ月後』を見据えて準備しなければなりませんし、自治体間の無用な競争につながりかねません」

 今年7月から9月末にかけ、日本の2回目接種完了率は15%から60%へと急上昇。「6カ月後」に前倒しとなれば、その期間の完了者は来年1月から3月に追加接種を迎える。年明けから年度末の忙しい時期に、自治体にさらなる負担がのしかかる恐れがある。

 シワ寄せを受けるのは、いつだって現場だ。自治体の悲鳴は「聞く力」を誇る岸田首相の耳に届くのか。

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