著者のコラム一覧
南野苑生マンション管理員

1948年生まれ。大学卒業後、広告代理店に勤務。バブル崩壊後、広告プランニング会社を設立するものの経営に行き詰まり、59歳のとき、妻とともに住み込みのマンション管理員に。その体験をつづった「マンション管理員オロオロ日記」(三五館シンシャ)がベストセラーに。

「ねえ、あなた。2人で住み込みの管理員をしましょうか」と妻が言い出した

公開日: 更新日:

 それまで存在していた写植はフォントに取って代わり、版下屋さんは高額な写植機のローンを抱えたまま廃業せざるを得なくなった。色校正屋さんも刷版屋さんもアルミ版を作る必要もなくなり、これまた廃業を余儀なくされた。印刷・出版関連の製品作成プロセスはパソコンの登場とバブル崩壊のダブルパンチで様変わりしたのである。

■貯金が底をついた!

 月々の売り上げをなくしてしまったわたしは、学習塾で英語講師のバイトをすることにしたが、とてもそんなことでは生活費の足しになるわけでもない。昼の時間はせっせと履歴書を書いてはこれはと思うところへ書き送ったし、ハローワークからの紹介状をもらって就職活動もした。ときにその時の年齢は58歳。なかには、「ウチの定年は60歳です。そんな年で入社して、ウチの会社にどれだけ貢献できると思いますか」などと皮肉交じりの質問を返されもした。

 相手にしてみれば、自社ですら立ち行かない経営をする人間が同じ業界の他社に来て、いったいどんな活躍ができるというのか、ということだったのだろう。考えてみれば、まさにその通りで、穴があれば入りたいと赤面の思いがしたのは言うまでもない。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン