求人広告で見かける「事務所留守番」ってどんな仕事? 荷物受け取りのみ8時間勤務の場合
「スポーツ新聞に載っていた求人広告で見たけど、やってみたらどう?」
軽い心筋梗塞を起こして以来、働くことから遠ざかっていた70歳の中野雅夫さん(仮名)。友人から「事務所留守番」という求人情報を得た。
勤務時間は朝9時から夕方5時まで。仕事は簡単な事務所の留守番。1日1万円の保証だという。
留守番なら体の負担も少ないだろうし、1日1万円も魅力だ。求人広告にあった電話番号に連絡し、翌日、東京・品川区内の事務所を訪ねた。
スチール机が2個ほど並んだ小さな事務所。事務機器など何もない殺風景な部屋である。
部屋でたばこを吸っていた同年代の男性が、「私はきょうでこの仕事を辞めますので引き継ぎということになります」と言った。
「報酬は毎日夕方、男の人が持ってきますから。仕事の中身?まあ、“NHK商法”と言えばわかりやすいでしょうか」
受信機(テレビ)を持つ全家庭にNHKは、好むと好まざるにかかわらず、一方的に電波を送信し、後に視聴料金を請求する。