「高額療養費制度」見直しに新たな火種…“がん・難病増税”に等しいのに、国家公務員は「負担上限」据え置きの可能性

公開日: 更新日:

 療養費制度の年間利用者795万人のうち155万人が多数回に該当する。厚労省の修正案は、多数回に当てはまらない約640万人を置き去りにし、患者同士の不平等感をあおりかねない。



 場当たり的な対応のひどさに加え、新たな火種もくすぶる。

 政府が療養費制度の負担上限を引き上げる一方、国家公務員の負担上限は「据え置き」の可能性があるのだ。どういうことか。

 20ある国家公務員共済組合のうち、18組合では「付加給付」と呼ばれる仕組みがある。病気やケガで高額の医療負担が生じた場合、収入に応じて月の負担上限額は5万円もしくは2万5000円に設定されている。例えば、ひと月の医療費が3万円なら、負担上限の2万5000円が控除されて5000円が還付される制度だ。

 一方、国内最大の保険者「協会けんぽ」には現状、付加給付がない。年収770万~1160万円なら負担上限額は月16万7400円。年収370万~770万円は同8万100円、年収370万円未満は同5万7600円だ。付加給付の恩恵で窓口負担が抑えられる国家公務員共済と比べ、すでにかなり格差がある。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「U18代表に選ぶべきか、否か」…甲子園大会の裏で最後までモメた“あの投手”の処遇

  2. 2

    コカ・コーラ自販機事業に立ちはだかる前途多難…巨額減損処理で赤字転落

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    参政党・神谷宗幣代表 にじむ旧統一教会への共鳴…「文化的マルクス主義」に強いこだわり

  5. 5

    山﨑賢人&広瀬すず破局の真偽…半同棲で仕事に支障が出始めた超人気俳優2人の「決断」とは

  1. 6

    ご都合主義!もどきの社会派や復讐劇はうんざり…本物のヒューマンドラマが見たい

  2. 7

    「石破続投」濃厚で党内政局は形勢逆転…そしてこれから始まる“逆襲劇”

  3. 8

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  4. 9

    巨人・坂本勇人に迫る「引退」の足音…“外様”の田中将大は起死回生、来季へ延命か

  5. 10

    自民保守派が“石破おろし”で分裂状態…次期党総裁「コバホークだ」「いや高市だ」で足並み揃わず