高額療養費見直しで「月額3万3300円」の負担増 収入減に治療費かさみ…子育て中のがん患者から悲鳴

公開日: 更新日:

 高額療養費制度は、医療機関や薬局での窓口負担が一定額を超えると払い戻される仕組み。長期入院や大きな手術、難病などで膨らんだ患者の医療負担を抑えるセーフティーネットだ。

 この“命綱”を「制度の持続性」の名の下に断ち切ろうとしているのが、石破政権である。ギリギリの厳しい生活を強いられている難病患者をよそに、負担上限引き上げを計画。患者団体などから猛反発を浴びている。

 療養費制度の見直し凍結を求めている全国保険医団体連合会(保団連)と、子育て中のがん患者による一般社団法人「キャンサー・ペアレンツ」の有志が6日、都内で会見。子育て世代のがん患者を対象にした、負担上限引き上げに伴う家計への影響調査の中間結果を公表した。

 先月30日から今月5日までに、全国から284件の回答が寄せられた。回答者のうち8割が女性、半数が40代。子どもの人数は、1人が46.6%、2人以上が53.4%だった。

 今や日本人の2人に1人が生涯でがんになる。「明日は我が身」だからこそ、がん・難病患者の生活を追い込む制度改悪は許されない。政府は「高額療養費制度」を見直し、負担上限の引き上げを画策しているが、当事者の悲鳴を無視するのか。

 療養費制度を利用しても、家計はカツカツだ。がん診断後に減った年収額は「50万円未満」「100万~150万円未満」が合わせて5割。多額の収入減に加え、年間にかかるがん治療費は「50万~100万円未満」が最多である。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした