都心一等地から地方移住はムリ!「ビジネスマンは鋭いセンスとおしゃれが大事」と拒否する44歳夫のため息

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コクハク

44歳、物価高を痛感する日々

「冷酷と激情のあいだvol.249〜女性編〜」では、生活水準を下げられず、家計が火の車になりつつある妻・絢子さん(仮名)が、夫・コウタさん(仮名)に、地方への移住を提案しました。なかなか同意しないコウタさんに綾子さんの苛立ちは募るばかりで…。

【冷酷と激情のあいだ~男性編~】

「本気で、物価高が大変なことになっていますよね。ウチは共働きでけっこう稼ぐほうだと思うんですけど、それでもここ数年で暮らしがかなり苦しくなりました。娘にまだまだ教育費がかかるんで、そこも不安ですね。

 だけど俺も妻もサラリーマン。どんなに仕事を頑張っても劇的に給料が上がるわけではありません。とりあえず今の収入でなんとかするしかないんですよね。それなのに、最近になって妻が『地方に移住したい』って言い出して、困っています」

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都心を離れたくない

 夫婦ともに自由度の高い仕事をしているものの、コウタさんは頻繁に都心のオフィスに行かねばならず、都心部以外への転居は考えられないと話します。しかし妻は生活水準を維持するために、地方都市へ移住するしかないと意見を曲げません。

「地方都市に住んでも、出社の交通費は会社がもってくれるからそこはいいんですけどね。ただ、住む場所が変わると感性も変わるし、仲間たちと今みたいに会えなくなる。それが嫌なんですよ。

 ほら、ビジネスマンってセンスも大事じゃないですか? おしゃれな暮らしを維持できなければ、自分の考え方もダサくなる。コロナ禍をきっかけに地方都市に移住した友人が何人かいますが、みんな都心の一等地に住んでいた頃よりも、鋭さが消えちゃった気がしますね。

 まぁそれもまた、本人の選択なんでしょうけど。俺は仕事をしていくうえでの鋭さを失いたくないんですよ。それに…」

 ここまで話したあとに、深呼吸をしてから話を続けるコウタさん。

見栄っ張りなのはもともとだけど

「惨めな思いをしたくないから、地方で暮らしたい」という妻の主張にもコウタさんは疑問があると続けます。

「妻が見栄っ張りなのはもともとなんですけど、ここ数年の妻はキラキラ生活をSNSに投稿するためだけに生きているみたい。

 ぶっちゃけ昔よりも人間性が薄っぺらくなったなぁって感じちゃって…。娘たちにも悪影響ですし、もうちょっと堅実な生き方をしてもらいたいんですけどね。

ただの自己顕示欲でしょ

 本人に伝えても、『私は、SNSの中で“素敵なワーキングママ”としての地位をキープする必要があるの!』の一点張りだったと、コウタさんは呆れたように肩をすくめま

「何が“必要があるの!”ですかね。俺からすれば、ただの自己顕示欲としか思えない。

 ハイブランド品を買うなとは言わないし、綺麗にしていたい気持ちもわかります。だけど、内面の成長をおろそかにして、表面だけ取り繕ったってしょうがないじゃないですか?

 だから妻に移住したいと言われても、全く心に響かないんですよ。今、家族で知らない土地に移住をして力を合わせてやっていけるとは到底思えないですね」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

(並木まき/ライター・エディター)

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