初の生保出身 筒井義信新会長率いる経団連が抱えるジレンマ
経団連は5月29日、筒井義信会長(71)が率いる新体制がスタートした。
筒井氏は日本生命保険社長、会長を務め、生命保険協会長も歴任した金融界の重鎮。金融機関出身者が「財界天皇」と呼ばれる経団連トップに就くのは初めてとなる。任期は2年だが、慣例として2期4年務める見通しだ。
就任会見では、焦点となるトランプ政権の高関税政策への対応など、米国との関係について、「対話を重視しながら、対等な立場で臨んでいきたい」との考え方を示した。トランプ関税の日本経済への悪影響をどう抑えるのか、また、実質賃金が伸び悩む中、インフレ率を上回る賃上げをどこまで継続できるかなど、課題は山積している。
筒井氏は1954年、神戸市の阪神電鉄沿線で生まれ、育った。工場勤務の父と専業主婦の母、4人の兄に囲まれた末っ子で、子供のころから兄弟と比較されることも多かったという。
兵庫県立神戸高校から京都大学経済学部に進み、学生時代にはバスケットボールに打ち込んだ。77年に日本生命保険に就職したが、第1志望は銀行マンだったという。入社後は主に企画畑を歩み、2011年に社長に就任。18年に会長となった。