著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

膀胱がんの5割はたばこが関係…他界した小倉智昭さんもリスク知らず

公開日: 更新日:

 たばことがんの関係というと、一般の方は肺がんを思い浮かべるかもしれません。肺もそうですが、膀胱もたばこの影響を受けやすいことが知られています。

 韓国では、40歳以上の閉経女性約136万人を追跡したところ、たばこを吸わない人に比べて喫煙の累積量が多いほど膀胱がんリスクを高めることが明らかになりました。累積量は1日の箱数と喫煙年数を掛けて算出する数値で、単位はパックイヤー。たとえば1日2箱で10年なら、20パックイヤーです。

 膀胱がんのリスクは10パックイヤーで1.5倍、20パックイヤーで2.3倍でした。現在禁煙していても、吸っていた時の累積量が20パックイヤーでは2.25倍と高止まりしたままです。

 今回の調査は40歳以上の閉経女性が対象ですが、50歳以前に膀胱がんを発症するのはそもそもまれですから、喫煙は女性全体の膀胱がんリスクを高めることを意味しています。男性についても世界的に同様の結果です。国立がん研究センターの多目的コホート研究でも、累積量が40パックイヤー以上だと膀胱がん発症リスクは約2倍になっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ