「SEX20億年史」デイヴィッド・ベイカー著 染田屋茂訳

公開日: 更新日:

「SEX20億年史」デイヴィッド・ベイカー著 染田屋茂訳

 38億年前に生命の起源が起き、長い間、微生物は無性生殖で自分のクローンを作成するだけだった。しかし、その18億年後、地球全体が凍結する「スノー・ボール」現象が起き、微生物はDNAを守るため細胞内の核に保持する真核生物となった。過酷な環境下でも子孫が生き残れるように、互いのDNAを融合させ、生存の可能性の高い突然変異を生み出したという。これがセックスの起源といわれ、こうして性の進化がスタートした。

 やがて1億2500万年前に人類の系統における最初の外性器が徐々に進化、さらに白亜紀大絶滅後、メスのクリトリスが「オープンエア型」の突起になったことで快楽を得られるようになったのだ。人類の祖先が二足歩行になると柔軟なペニスによってさまざまな体位が可能になった。

 セックスをゼロから探求し、人間の多様な性行動がどのようにして生まれたのか、衝動や性的愛着がどうして現在のようになったのか、人類の進化の系統樹をたどった「セックス大年代紀」。一つ一つ丁寧に追うセックス史上の重大事件は、まさに人類の歴史そのもので、ページをめくるたび進化の絵巻物が披露されるよう。現在、セックスは自由化されたが、皮肉なことに人々が深い孤独を感じているという指摘が興味深い。

(集英社 3300円)

【連載】木曜日は夜ふかし本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る