“立ちんぼ”はなぜなくならないのか…実名報道をしても根本解決にはつながらず
しかし、こうした摘発や報道が繰り返されながらも、路上に立つ女性は後を絶ちません。売春行為は悪いとされながらも、家庭にいられない、生活の糧がないといった複雑な事情を抱え、他に選択肢がない中で路上に立たざるを得ない人もいます。そして一方で、その女性たちを“利用”する側が存在する限り、立ちんぼはなくならないという現実もあります。
つまり、問題は単なる個人のモラルや法令順守の話ではなく、立ちんぼという行為が社会のどこに根差しているのかという構造の話なのです。摘発も報道も、それだけでは根本的な解決にはなりません。本当に必要なのは、貧困や孤立への支援、性搾取の構造への理解、そして加害と被害を単純に分けられない現実を直視する姿勢ではないでしょうか。
繰り返される“いたちごっこ”を終わらせるには、社会全体でこの問題の土台を問い直す必要があるのです。