著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

“立ちんぼ”はなぜなくならないのか…実名報道をしても根本解決にはつながらず

公開日: 更新日:

 先日、東京・大久保公園周辺で、いわゆる“立ちんぼ”行為をしていた20代の女性4人が売春防止法違反の疑いで逮捕されました。今回の事件では、実名や顔写真まで報道されたことが話題となり、「そこまでする必要があるのか」といった声も多く上がっています。

 売春行為自体は、売春防止法で「してはならない」と規定されていますが、罰則はありません。処罰の対象となるのは、売春を助長する「勧誘」や「客待ち」などの行為であり、今回の逮捕もその点を根拠とするものでした。

 一方で、売春防止法の目的は「女性の保護と更生」であるとされています。にもかかわらず、実名報道によって本人の社会復帰が極めて困難になるような事態が生じてしまえば、本来の理念とは矛盾しかねません。報道の自由と公益性の名のもとに、処罰以上に重い社会的制裁が科されてしまう構図には慎重な検討が必要です。

 ただ、報道が過剰であるとしても、摘発が不必要というわけではありません。今回のケースでは、詐欺的な手口や悪質な客引き、組織的な情報共有といった実態があったとされており、地域の治安や観光イメージへの影響も無視できないものです。繰り返される立ちんぼ行為に対して、一定の抑止が求められるのは当然のこととも言えます。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態