“立ちんぼ”はなぜなくならないのか…実名報道をしても根本解決にはつながらず
先日、東京・大久保公園周辺で、いわゆる“立ちんぼ”行為をしていた20代の女性4人が売春防止法違反の疑いで逮捕されました。今回の事件では、実名や顔写真まで報道されたことが話題となり、「そこまでする必要があるのか」といった声も多く上がっています。
売春行為自体は、売春防止法で「してはならない」と規定されていますが、罰則はありません。処罰の対象となるのは、売春を助長する「勧誘」や「客待ち」などの行為であり、今回の逮捕もその点を根拠とするものでした。
一方で、売春防止法の目的は「女性の保護と更生」であるとされています。にもかかわらず、実名報道によって本人の社会復帰が極めて困難になるような事態が生じてしまえば、本来の理念とは矛盾しかねません。報道の自由と公益性の名のもとに、処罰以上に重い社会的制裁が科されてしまう構図には慎重な検討が必要です。
ただ、報道が過剰であるとしても、摘発が不必要というわけではありません。今回のケースでは、詐欺的な手口や悪質な客引き、組織的な情報共有といった実態があったとされており、地域の治安や観光イメージへの影響も無視できないものです。繰り返される立ちんぼ行為に対して、一定の抑止が求められるのは当然のこととも言えます。