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髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

特殊詐欺グループの指示役が保釈中に暴行でまた逮捕…これはレアケース

公開日: 更新日:

 7月18日、特殊詐欺グループの指示役とみられる20代男性が傷害、逮捕監禁の容疑で警視庁に逮捕されました。いわゆる「出し子」が受け取った現金を持ち逃げしたことに怒り、都内のホテルに監禁し顔を殴るなどの暴行を加えケガを負わせたというものです。

 今回の件は単に闇バイトがらみの事件というだけではなく、被疑者の20代男性が保釈中であったことが話題となっています。別の特殊詐欺犯罪で実刑判決を受け、控訴中だったそうです。今回はこの保釈の問題にフォーカスを当ててみたいと思います。

 保釈とは、起訴された後も勾留(警察署・拘置所等の刑事施設で身体拘束を受けること)されている被告人を釈放することを言います。保釈が認められる場合としては、①権利保釈(一定の罪を犯していないこと、証拠隠滅のおそれがないこと等の一定の条件を満たした場合に認められる)、②裁量保釈(事件の重大性、逃亡・証拠隠滅のおそれ、身体拘束による不利益等を考慮して、適当と認めた場合に保釈が認められる)があります。

 保釈が認められる場合には、身元引受人や裁判所に一時的に納める保釈保証金などの保釈条件が付けられた上で、裁判所から保釈決定がなされます。保釈保証金の金額は通常150万~200万円ほどになることが多く、判決が出るまで特に何事もなく生活していれば、後に返還されますが、逃亡・証拠隠滅を行ったり、保釈条件に違反する行為をしたりした場合は、再び身柄が拘束され、かつ保釈保証金が没収されてしまう可能性があります。

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