Xmasシーズン突入も…洋菓子店の倒産件数が過去最多の背景
クリスマスシーズンに入ったが、「街のケーキ屋さん」といわれる洋菓子店の倒産が急増していることが分かった。帝国データバンクの調査では、今年10月までに43件が倒産、これは2000年以降で最多だった昨年1年間の倒産件数に並ぶ。通年で過去最悪の倒産件数になることは確実だ。
昨年は、神戸の有名ブランド店「モンブラン」や、レモンケーキで有名な北海道千歳市の「ニシムラファミリー」といった、地元で親しまれた洋菓子店が倒産したが、洋菓子店倒産の連鎖が今年はさらに拡大しているのだ。
国内ではスイーツ人気が高まり、パティシエを養成する専門学校も増えている。その一方で、倒産が増えてきた理由を、帝国データバンク情報統括課の飯島大介副主任がこう分析する。
「最大の理由は、輸入小麦、バターなど原材料価格や、人手不足による人件費の高騰です。この10年間でコストが上昇し、売り上げに占める原価率は5割に近づいています。しかし、ジワジワ上昇しているため、商品価格に転嫁しにくいんです」