みずほ系ヒューリックが大手企業の本社ビルを相次ぎ買収
外資ファンドも驚く勢いで都心の大手企業ビルを買収している不動産会社がある。メガバンク・みずほ系のヒューリック(吉留学社長)だ。東京・新橋汐留の電通本社を3000億円規模で買収したのに続き、同じく新橋駅近くのリクルートホールディングスの登記上の本社「リクルートGINZA8ビル」を買収した。買い取り額は200億円程度と見込まれている。ともに「セール&リースバック」と呼ばれる手法で、電通、リクルートとも売却後もオフィスとして賃貸する予定だ。
コロナ禍に伴い業績が悪化する中、自社ビルを保有する大手企業はこの「セール&リースバック」方式で不動産の益出しを行い、手元資金を厚くする狙いがある。そうした企業のニーズを捉え、これまで市場に出回ることがなかった優良物件を安値で買収できる好機となっている。「メガバンク系で資金の備えに心配のないヒューリックは物件を仕込むまたとないチャンスと見ているようだ」(不動産アナリスト)というわけだ。