有森隆
著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ENEOS HD(上)突然失脚した最高権力者・杉森務前会長の実力

公開日: 更新日:

 1999年、日本石油と三菱石油の合併(日石三菱)に始まり、2010年の新日鉱ホールディングスとの経営統合。17年、東燃ゼネラル石油をのみ込んだ。杉森はいずれの再編・淘汰でも交渉の最前線に立ち、奔走した。

「入社してから社名が6回も変わった」。経験したくてもできないような特異な経歴を持つ。14年、JX日鉱日石エネルギー、16年、JXエネルギー、17年、JXTGエネルギーの社長に就いた。全国の給油所(ガソリンスタンド)を率いる事業会社の社長に就いたことがバネとなり、杉森はグループのトップの座を手繰り寄せた。

 17年4月、JXホールディングスと東燃ゼネラル石油が経営統合し、JXTGホールディングスが誕生した。事業子会社のJXTGエネルギー社長の杉森は、18年6月、持ち株会社、JXTGHD社長の椅子に座った。

 グループトップの座を射止めた彼の初仕事は、給油所のブランド名だったENEOSに社名を統一することだった。旧JXのENEOSが約1万カ所。経営統合した東燃ゼネラル石油だったエッソとモービル、旧ゼネラル石油のゼネラルを合わせて、給油所はおよそ1万3500カ所あった。

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