ダイワボウHDの繊維事業売却は「英断か」…企業にとって祖業はお荷物なのか?
企業にとって「祖業」とは厄介な存在に違いない。業績不振に陥っても取引先や従業員などステークホルダーを巡るしがらみや因習などが複雑に絡み合い、なかなか抜本的な打開策を講じづらい。歴史を積み重ねていればいる分だけそうだ。
そんな中、ダイワボウホールディングス(HD)が先週、祖業である繊維事業を売却する方針を打ち出した。今年4月に同じく祖業である生物顕微鏡などの科学事業を米ファンド大手のベインキャピタルに4276億円で売却したオリンパスほどの迫力はないものの、市場では「英断」として評価の声もしきりだ。
グループから切り離すのは完全子会社の大和紡績(大阪市)。保有発行済み株のうち85%を来年1月中旬をメドに国内投資会社、アスパラントグループ(東京・港区)傘下のファンドに95.4億円で譲渡する。
大和紡績は1941年に4社合併で誕生した紡績会社がルーツ。従業員数は約2900人(連結ベース)で機能性レーヨンなどに強みを持つ。経営は苦戦を強いられているとはいえ「万年赤字続き」といった“惨状”ではない。2023年3月期も営業利益13.98億円、最終利益6.33億円と黒字だ。
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