著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

いわき信組で現金着服事案2件発覚…金融当局がニラむ「175億円公的資金」返済計画

公開日: 更新日:

利益剰余金は43億円強

 とはいえ不正融資は公的資金注入とほぼ平仄を合わせるようにぴたりと止まり、以後、封印され闇に葬られてきた。「大金が転がり込んでくるアテができたので、ひとまずヤバい案件から手を引いた」(地銀幹部)と受け止められなくもない。

 公的資金の返済にメドが立っているのならまだ救われよう。しかしその可能性は「限りなくゼロに近い」(信組業界筋)。償還原資となる、いわき信組の利益剰余金は、今年3月末時点で43億円強にとどまっているからだ。

 当初「22年まで」とされていた返済期限は、コロナ禍に配慮して「26年まで」に延長された。ただ、いわき信組の最終利益は24年3月期で2.14億円に過ぎない。残り2年ほどの間に剰余金を175億円にまで積み上げ、かつ返済後も財務の健全性を維持することなど無理スジとも言える芸当だろう。光明は見えていない。

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