AIで急成長する「音声認識技術」 議事録作成市場は年平均約19%の伸び
■2つの重要なポイント
しかし、この業界で良いポジションを占めるには、漫然と波に乗ればよいわけではない。すべきことが2つある。1つは、どんな時でも誤りなく記録できる環境を整えることである。具体的には、AIがきちんと認識できる音で拾うこと、端的に言えば環境に合ったマイクを使うことである。これで状況が様変わりする。AI音声認識のトップ企業は、スマートフォンなどに任せず、自前の機器を用意する。だが、それはテレビ局などの大型マイクではなく、記録部を入れてもカードサイズに収まる。スマートフォンにくっつけて持ち歩けるのは、大きなメリットだ。
もう1つは共有化である。情報は多くの場合、共有化で価値が上がる。時短などもひとつの結果だが、一番期待したいのはアイデアの相乗効果だろう。田村COOは「オフラインでの音声記録は80%もあります。もし、今まで活用されなかった情報が活用されれば、世の中を変えられるのでは」と考えている。この共有化法は、ひとつに集約できないだろうが、そのシステムの有無は、企業の未来を大きく左右すると言ってもよい。