「ふるさと納税」のポイント付与禁止で利用者は減るのか?
ニッセイ基礎研究所の小口裕・准主任研究員が、見直しの背景を説明する。
「地域の創生、活性化を目的に自治体に自主財源を持たせるとした本来の政策的な趣旨が変わってきた。手数料の一部が利用者へのポイント付与の原資となることで、事業者によるポイント付与利用者の獲得競争に拍車をかけてきた。総務省はこの点を以前から問題視してきていました」
制度の見直し後、ポイント付与の禁止、さらに過剰広告での返礼品強調や誘因行為の禁止。返礼品の基準がより厳格化され、地場産品では食肉熟成、精米は県内産原料に限定、高額宿泊は1泊1人5万円以下など、豪華返礼品への偏りを防ぐ仕組みが導入される。
では、ポイント付与、豪華返礼品など「お得感」に魅かれて広がった利用者への制度見直し後の影響はどうか。先の小口氏がこう指摘する。
「ポイント還元がなければ利用しないという声は多く聞きます。ただ、節税メリットの制度は残るので、節税に魅力を感じる利用者、とくに高額所得者は『地域応援』の意識も高いこともあり引き続き残るでしょう」