「ふるさと納税」のポイント付与禁止で利用者は減るのか?
ふるさと納税制度の見直しで、1兆3000億円の寄付額の今後の行方はどうなる。
9月9日、村上誠一郎総務相は会見で「ポイント付与で寄付者を誘引するポータルサイトなどが利用され、付与に関わる競争が過熱化することが、ふるさと納税の趣旨に沿った適正なものとは言えない」として、10月1日からポイント付与が禁止されることになった。
ふるさと納税の利用者は、寄付により所得税や住民税の控除に加えポイントやギフト券、返礼品などが還元される特典がある。2008年の創設当時、寄付の受け入れ金額は100億円前後、件数は約10万件だったが、その後還元キャンペーンの「お得感」から24年には受け入れ額1兆2700億円、5879万件と過去最大に達した。
寄付者はポータルサイトを通じて自治体に寄付を行い、自治体は寄付獲得のためにサイト掲載料や決済費用などをポータルサイト運営事業者に支払っている。募集経費の内訳は、返礼品費用25.2%、事務費13.2%、ポータル費用8%など合計46.4%で、自治体の実収は53.6%にとどまっているのだ。