5つ星ホテル宿泊…中山外務副大臣が人質事件でやったこと

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「蛮勇だった」――自民党の高村正彦副総裁は4日、殺害されたジャーナリストの後藤健二さんについて、そう言い放った。政府は後藤さんに3度も「行くな」と警告したから、「俺たちに責任はない」と言いたいのかもしれない。百歩譲って蛮勇としても、人質事件で安倍政権がさらした無能ぶりは、問われてしかるべきだ。

 そもそもヨルダンの日本大使館に置かれた現地対策本部も、何をやっていたのかサッパリ見えてこなかった。首都アンマンの“5つ星ホテル”に宿を取り、大使館と行ったり来たりしていた本部長の中山泰秀外務副大臣は、「後藤さん救出の努力を続けていく」と繰り返すばかり。

 もともとイスラム国が敵視しているイスラエルと親密な中山副大臣が指揮を執ることに、「相手を刺激する」と疑問の声も上がっていた。中山副大臣の1月19日付のフェイスブックには、エルサレムで内閣官房参与の飯島勲氏と撮ったツーショット写真が載っている。事件発覚後も、自分の実績をアピールする写真を連日のようにアップ。ノンキなものだ。

「情報収集や交渉など、実質的に本部を仕切っていたのは、現地の事務方です。中山さんは、本国との“連絡係”に過ぎなかった。ところが、誰かがリークしたとしか思えない現地情報が日本の新聞に次々と載るものだから、官邸はカンカン。そりゃ当然で、日本の報道はイスラム国に筒抜けです。交渉にどう影響するか分かりません。ギリギリの解放交渉が続いている最中に、記者団に『事態は膠着状態』と漏らすこともあった。一時は、『中山を日本に戻せ!』という意見も出たそうです」(外務省関係者)

 まあ、親分の安倍総理にしても麻生副総理にしても、イラクで5人の日本人が人質になった事件が起きた04年当時、政権の中枢にいた。トップとナンバー2が“経験者”だというのに、ヨルダン頼みで手も足も出なかったこと自体、無能のそしりは免れまい。

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