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野口悠紀雄氏がアベノミクスを批判 「異次元緩和は脱法行為」

「アベノミクスの成功を確かなものにすることが最大の課題」――。昨年末の衆院選後も、安倍首相は引き続き「デフレからの脱却」を最優先に掲げた。だが、アベノミクスによって輸入物価は急上昇し、中小企業の「円安倒産」が相次いでいる。多くの国民に「成功」の実感はない。安倍首相の力説する「この道しかない」の先にどんな事態が待ち受けているのか。日銀の異次元緩和を「金融政策の死」と切り捨てる野口悠紀雄・早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問は、「日本は没落するかもしれない」と警告した。

■安倍政権の「この道」とは国家統制の“戦後レジーム”経済

――日銀の黒田総裁が先月の政策決定会合後の会見で、「物価上昇2%」の目標達成時期が16年度にずれ込む可能性を認めました。あらためてアベノミクスをどう見ていますか。

 アベノミクスの中心目標は「2%の物価上昇(インフレ)」ですが、この目標自体が間違っていると思います。今、原油価格が下がり続け、一時期に比べて半値ほどになりました。本来、原油価格の下落は、日本企業にとっても国民にも大変望ましいことです。しかし、それではインフレ目標が達成できないため、日銀は追加の金融緩和策を打ち出し、輸入物価を上げようと円安投機をあおりました。つまり、2%上昇を達成するために原油効果を打ち消そうとしている。国民が望ましくないと思っても、苦しくなっても構わない、という考え方で、いかにもおかしい。「デフレ脱却が日本経済に望ましい」という考えは、基本的に間違っているのです。間違っている目標だから、15年4月に達成しようが、16年度にずれ込もうが、どちらでもよいことです。ただ、最初に設定した目標がなぜ実現できなかったかについての納得いく説明は必要でしょう。

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