文科次官ら厳重注意 公開文書激減で超隠蔽国家が誕生する
菅義偉官房長官が“怪文書”呼ばわりした文科省の内部文書をめぐってトンデモない処分が出た。「加計学園」の獣医学部新設に関連する「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた複数の文書の取り扱いが不適切だったとして、松野博一文科相は4日、戸谷一夫事務次官ら3人の幹部を口頭で厳重注意したというのだ。
文科省人事課は「行政文書ではない個人メモが、共有フォルダーに保存されたり、メールされたりして共有されてしまった。本来は個人のみで保管すべきもので不適切だった」と説明したが、オイオイちょっと待て、だろう。
「これらの文書は文科省の課長補佐が特区対応の業務として作成したものです。『総理のご意向』といった多くの文書は当時の前川前次官への説明で使われている。個人メモではなく、組織的に使用された立派な行政文書ですよ。個人メモということにして共有したのが間違っていたというのはムチャクチャな論理です」(政治評論家の山口朝雄氏)
文書が共有フォルダーに保存されていたおかげで、国民は加計問題をめぐる省庁間のやりとりが分かったのだ。いわば内部文書は「国民の知る権利」に応えたのだ。公僕として当然の役割を果たした国家公務員に対して厳重注意はあり得ない処分だろう。