水俣病描いた「苦海浄土」作家 石牟礼道子さん90歳で死去

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 水俣病患者の苦しみや尊厳を描いた「苦海浄土」で知られる作家、石牟礼道子さんが10日未明、熊本市の介護施設で死去した。90歳だった。

 熊本・天草に生まれ、生後すぐ水俣へ。詩人谷川雁らの「サークル村」に参加して詩歌を発表、創作活動に入った。

 水俣病患者の支援を行いながら1969年、彼らに自身の魂を憑依させたかの語りで“文明の病”を描き出した「苦海浄土 わが水俣病」を刊行。同病の実態を広く世に伝え、第1回大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれたものの、受賞を辞退した。

 同作は患者の病状の進行、加害企業チッソや国との過酷な交渉とともに書き継がれたが、74年に後の第3部となる「天の魚」を発表した前後から事実上中断した。2004年に「苦海浄土」の第2部「神々の村」を書き上げ、3部作が完結した。

 晩年はパーキンソン病を患いながらも俳句、エッセーの寄稿などを継続。16年の熊本地震で被災するなどしたが、最後まで故郷の自然や風土を見詰める姿勢を貫いた。

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