「あれがすべて」尖閣事件“sengoku38”こと一色正春氏は今
民主党政権時代の2010年秋、尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁巡視船に衝突する動画が拡散される騒動があった。この映像を神戸市内のインターネットカフェから拡散させたのが、一色正春氏だった。
一色氏は、本来、大勢の目に触れるはずのないこの動画をネット上に拡散させる際に、「sengoku38」と名乗った。当時の官房長官、仙谷由人氏にかけてのネーミングかと騒がれたが、やがて動画を流出させた当事者が判明、神戸の第5管区海上保安本部所属の現役海上保安官だったことが明らかになる。
第5管区海上保安本部に勤務していた関係者が当時を振り返る。
「動画が流出してすぐ、うちの人間だと思いました。もちろんそれが誰かは分かりません。なかには『よくやった』という声もありましたね。でも、うちの管区の者だと分かってからは、そんな空気も一変しました。こういう組織です。騒動に巻き込まれることを嫌いますからね」