寺脇研
著者のコラム一覧
寺脇研京都造形芸術大学客員教授

1952年、福岡市生まれ。ラ・サール中高、東大法学部を経て、75年に文部省(当時)入省。初等中等教育局職業教育課長、大臣官房審議官、文化庁文化部長などを歴任し、2006年に退官。ゆとり教育の旗振り役を務め、“ミスター文部省”と呼ばれた。「危ない危ない『道徳教科書』」など著書多数。

ツルを伸ばしたカボチャがトラックにひかれる“因果応報”

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「礼儀正しい挨拶のしかた」と同じく、小学校低学年の教科書には「かぼちゃのつる」がある。文科省の検定を受けて使用されている小学校教科書は8社から出ているのだが、なんとこの読み物は全社がそろって載せている。よほどいい話なのか?

 とんでもない。バカバカしくなるくらいくだらない内容だ。カボチャが擬人化され、自分勝手にツルを伸ばして周囲に迷惑をかけた末、道路にまで達してトラックにひかれて「いたいよう、いたいよう。ああん、ああん。」と泣きを見る羽目になる。極めて単純な因果応報ばなしなのである。わがままを通すと痛い目に遭うよ、と教えたいのだろう。

 これじゃ、まるで「悪いことすると怖い人が来るよ」と子どもを脅しているようなものではないか。小学校の授業なのだから、自分のわがままを通すことと他人に迷惑をかけることとの間をどう調整し、うまく折り合いをつけるかについて考え、議論する展開にしなくちゃ。そこで初めて、わがままをどれくらい我慢すべきか、逆に他人のわがままな行為をどこまで許せるかを自問する深い思考が生まれる。

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