経団連会長が転換 「原発どんどん再稼働」に飛び交う憶測
何があったのか――。経団連の中西宏明会長(日立製作所会長=72)の発言に臆測が飛んでいる。15日の記者会見で、原発について「再稼働をどんどんやるべきだと思う」と語り、原発の「新設」や「増設」も認めるべきだと発言した。さらに、「自治体が再稼働にイエスと言わない。これで動かせない」「公開で討論しないといけない」と、原発推進を全面的に打ち出した。
臆測が飛んでいるのは、ほんの数週間前、正反対の発言をしていたからだ。年初の報道各社とのインタビューでは、3.11以降、東日本の原発が1基も再稼働していないことを例にあげてこう語っていた。
「国民が反対するものはつくれない。反対するものをエネルギー業者や日立といったベンダーが無理につくることは民主国家ではない」
「国民が反対するものはつくれない」と口にしていたのに、「どんどん再稼働すべきだ」とは、ここまで意見を変えるのは普通じゃない。そのため「なにがあったのか」といわれているのだ。
「安倍官邸から怒られたのではないか、という見方が流れています。原発推進は安倍政権の基本政策なのに、『国民が反対するものはつくれない』と異を唱えた。安倍官邸から激怒されておかしくありません。世論調査では反対が多数ですからね。それで慌てて官邸に聞こえるように“原発推進”を叫んだのではないか、とみられています」(財界関係者)