安全保障で迫られる乏しい3択のリセットが日本の起点に
柳澤協二(元内閣官房副長官補)
元号が変わったからといって、何かがリセットされるわけではない。世界は日本の都合で動いているわけではない。意味があるとすれば、天皇の代替わりに象徴される世代交代によって、経験に裏打ちされた国民意識が変化することだ。
昭和は戦争と戦後復興を通じて、戦争はごめんだ、みんなで働いて豊かになるという国民意識を育んだ。平成は、戦争世代の退場と、働いても豊かになれない世代を生み出した。戦争への拒絶感が薄れ、社会が分断される時代となった。
戦争の要因は、富と名誉と恐怖といわれている。富の不公正、人間の尊厳という名誉の喪失が、他者を排除し争いを生み出すもとになっている。トランプ大統領が掲げるアメリカ第一主義のように、富も名誉も自国で独占し、武力で恐怖を与えて強制する戦争要因のデパートのような政治がまかり通る時代である。
日本の周囲を見れば、中国の台頭によってアメリカの優位が揺らいでいる。日中で見れば、中国は、政治・経済・軍事で今や完全に日本を凌駕している。日本の中に、中国への警戒感が生まれるのは当然だ。


















