「桜を見る会」私物化を白状 下関市長の歪んだ“特権意識”
選挙の論功行賞や安倍派市長限定の特別な招待――。「桜を見る会」をめぐって、安倍首相の地元・山口県下関市は異様な空気に包まれていた。野党などの現地調査で、私物化の実態がさらに浮き彫りになった。
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野党でつくる「『桜を見る会』追及本部」の視察団は今月1日、2日、現地で会の参加者や県議・市議などに聞き取り調査を行った。見えてきたのは露骨な論功行賞だ。
保守分裂となった2017年3月の下関市長選で、安倍首相の秘書を7年半務めた市議の前田晋太郎現市長が、安倍のライバル・林芳正元文科相の推す現職市長を破った。
その後、「桜を見る会」の自民枠の招待風景が一変。安倍派議員には、招待状が送られ「コピーしてどんどん使ってください」と大盤振る舞いなのに、林派議員に案内は来なくなった。分かりやすい“ご褒美と冷や飯”である。野党の聞き取りに、自民枠での参加者すら「安倍総理の選挙利用だ」と漏らしたという。