後手後手の新型コロナ対策 インバウンド重視で初動遅れか
「こんなことを言いたくはないが、安倍総理には危機管理能力が欠如しているのが明らかになった」――。作家の百田尚樹氏がツイッターでこう嘆くほど、新型コロナウイルスへの政府の取り組みがひどい。後手後手かつ場当たりな対応に批判噴出だ。
安倍首相は31日、新型コロナウイルスを「指定感染症」とする政令の施行日を今月7日から1日に前倒しし、14日以内に中国・湖北省に滞在した外国人の入国を拒否する方針を表明。WHOの緊急事態宣言を受けての措置だと説明しているが、「のんびりし過ぎ」という世論の批判を気にしたのだろう。
「施行まで“空白期間”ができることに国民の不安が高まっていたのに、前日まで『人権上の問題があるため周知期間を置く』と、7日施行の方針を変えようとしなかった。前倒しできるのなら、なぜもっと早くしなかったのか。武漢から退避する際のチャーター機運賃を政府負担にする意向も同時に発表しましたが、決断が遅すぎる。そもそも、先月16日に国内で初めて新型肺炎患者が確認されても、政府の反応は鈍かった。ちょうど春節(旧正月)の時期を控え、中国人訪日客の大量入国が見込まれていたにもかかわらず、有効な対策を講じようとしなかったのです。官邸が安全対策よりインバウンドを重視したのではないかという見方も出ています」(自民党ベテラン議員)