黒川定年延長問題で「つい言い間違えた」答弁の官僚が出世
また「ご褒美人事」か――。人事院が12日、森永耕造事務総長が退任し、後任に松尾恵美子給与局長を昇格させる人事を発表した。事務総長に女性が就任するのは初めてだ。
「松尾さんは早大法学部卒で、大学時代は司法試験を目指していたそうです。真面目な性格なので、国会で事実と異なる答弁をさせられてつらかっただろうと心配していましたが、論功行賞で出世なら、体を張って政権を守った甲斐があったということでしょうか」(霞が関関係者)
松尾氏が一躍、有名になったのは、“官邸の守護神”と呼ばれた黒川東京高検検事長(当時)の定年延長問題で紛糾した昨年2月の通常国会でのこと。「検察官に国家公務員法の定年制は適用されない」という1981年の人事院の国会答弁について野党から質問され、当初は「現在まで同じ解釈が続いている」と答弁したが、直後に安倍首相(当時)が解釈変更に言及すると、つじつまを合わせるように「法務省から相談があるまでは続いていた」と自身の答弁を撤回、修正したのだ。しかも「つい言い間違えた」と、あり得ない説明で安倍氏の答弁に追従した。