橘孝三郎の農本主義思想は資本主義体制の否定に利用されていく
橘孝三郎の大正末期から昭和初期の実像をもう少し活写したい。なぜなら理想主義者がいかなる日本社会の疲弊した状況に挫折したかを見ていくことで、近代史の本質も見えてくるからだ。いや、この農本主義者の理念がなぜ生かされなかったかは、重要な問題だからである。
かつて(昭和40年代…
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