著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

生の取材で分かった本物のテロリストの生きざま

公開日: 更新日:
二・二六事件。陸軍の皇道派と呼ばれる青年将校たちが「昭和維新の断行」を叫んで決起し、首都の中枢部を占拠、その際、料亭・幸楽と山王ホテルを指揮本部として接収した(1936=昭和11=年2月26日、東京・赤坂)/(C)共同通信社

 五・一五事件に関わった人物は私に「みんなをテロリストと呼ぶのは乱暴だ」と言いました。そのうえで、「自分は本当のテロリストだと思うがね」と言い、こう語り始めたのです。

「テロリストというのは、事件を起こす前は普通の人なんだ。それがどんどん、気持ちが高まってくる。決行する日は… 

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