裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出

公開日: 更新日:

非安倍派の中堅「幹部連中だけは許せない」と憤り

 背景には、やはり「裏金集団」旧安倍派の“妨害”が見え隠れする。カネの流れを知り得るキーマンに出てこられると困るというわけだ。招致を巡る与野党の交渉の舞台裏を知る議員が言う。

「招致決定後、松本さんの元に複数の旧安倍派幹部からひっきりなしに電話がかかってきたそうだ。特に、具体的な日程が決まった後の“鬼電”は凄まじかった。『余計なことはしゃべらないでね』という生易しいレベルではなく『参考人として出てくるな』『家でおとなしくしていろ』といったものだったといいます。予算委で参考人招致が正式に決まっているわけですから、直電すること自体が異常です。ましてや『出てくるな』なんて、国会を何だと思っているのか。裁判の弁護士費用も旧安倍派が面倒を見ていたそうですから、松本さんは反論などできるわけがない。旧安倍派の執念には、野党のみならず自民議員もドン引きしています」

 予算委で野党との調整役を担っている自民・井上氏も、「旧安倍派幹部のプレッシャーはキツ過ぎる」とこぼしているそうだ。ある自民関係者は「旧安倍派はいつまでゴネているのか。サッサと招致に応じた方がスッキリする」と嘆息。非安倍派の中堅は「特に幹部連中だけは許せませんね」と憤り、こう続ける。

「旧安倍派の裏金が発覚した当初のことです。ある同派所属の若手は不記載分が少額だったので、私は『早く返金して、会見で釈明した方がいい』と助言したのですが、彼は『それはちょっと……』と煮え切らなかった。なぜかと聞くと『幹部が許してくれない』と言う。『おまえだけ抜け駆けすることは許さない』と幹部から圧力をかけられているというのです。結果的に彼は昨年の衆院選で落選。他にも多くの議員が落ちた。引き出しに札束を入れていたと開き直った幹部もいましたが、呆れてものが言えませんよ。幹部らが表に出て説明しなければ、いつまでも幕引きできないでしょう」

「表に出てくるな」「抜け駆けは許さない」と圧をかけるなんて、社会問題化する「匿名・流動型犯罪グループ」の指示役のようだ。いい加減、腹を決めてはどうか。

  ◇  ◇  ◇

 自民裏金のキーマンには参考人聴取で“暴露”の可能性が…戦々恐々の旧安倍派幹部が日刊ゲンダイだけに重大証言をしている。関連記事【独自】で詳しく報じている。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  2. 2

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 3

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  4. 4

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    「おこめ券」に続き“やってる感”丸出し…鈴木農相がひっそり進めるもう一つの肝いり政策

  3. 8

    維新が手にする血税は33億円…定数削減へチンピラまがいの圧力、税金原資にキャバクラ&ショーパブ代支出の疑い

  4. 9

    レーダー照射で日中対立激化…習近平指導部による「高市威圧」次のシグナル

  5. 10

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」