斎藤元彦知事パワハラ認めてもお咎めナシ…鉄面皮“居直り作戦”にも兵庫県議会の動きが鈍いワケ

公開日: 更新日:

〈誠実さのかけらもなく 笑っている奴がいるよ〉──。ザ・ブルーハーツの名曲「青空」に、こんな一節がある。この歌詞にピッタリの人物が、兵庫県の斎藤元彦知事(47)だ。自ら設置した県の第三者委員会からパワハラ認定され、違法行為を指摘されたにもかかわらず、辞職どころか自身への処分も否定。「引き続き頑張っていきたい」と居直り続けている。

■意味不明な理屈を並べノラリクラリ

 斎藤知事によるパワハラ行為などを訴えた元県民局長の告発文書を巡り、第三者委が調査報告書を公表したのは今月19日のこと。斎藤知事は「公務多忙」を理由に報告書への正式コメントを避けてきたが、県議会の定例会が閉じた26日、ようやく記者会見を開いた。

 第三者委は調査したパワハラ疑惑16件のうち10件をパワハラ認定。斎藤知事が告発を公益通報として扱わず、文書作成及び配布を理由に元県民局長を懲戒処分にしたことを「違法」と断じた。県議会の百条委員会より踏み込んだ判断が並び、斎藤知事の「受け止め」に注目が集まったが、何のことはない。少しも反省していないのだ。

 知事は会見で、初めてパワハラ行為を認め「職員におわびと謝罪をしたい」と頭を下げたが、文書については「誹謗中傷性が高いとの認識に変わりない」と従来の主張を堅持。第三者委が文書に書かれた複数の事実を「真実」「真実相当性がある」と結論付けているにもかかわらず、だ。

「違法」と指摘された公益通報の取り扱いに関しても、「やむを得ない適切な対応だった」と強調。元局長への懲戒処分の撤回を否定した。壊れたレコーダーのように「第三者委の指摘は真摯に受け止める」と繰り返す一方、自身への処分を問われても「仕事をしっかりやりながら、襟を正して身を処していきたい」と意味不明な理屈を並べてノラリクラリ。鉄面皮にも程がある。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    参院選の候補者が正式に決まらない…国民民主党「玉木執行部vs参院女子」の熱き内部ドタバタ対立

  2. 2

    国民民主党が参院選東京選挙区で“台風の目”に…元NHKアナ牛田茉友氏のみならず2人目擁立の狙い

  3. 3

    だから世耕弘成氏は嫌われる…「裏金」参考人招致でも冗舌、企業・団体献金には“ド正論”連発の厚顔

  4. 4

    参院選に向け永田町で出回る“怪情報”…自民情勢調査で「単独過半数維持」って甘すぎやしないか?

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「連立入り」「首相就任」報道に文句連発も…ホンネは自公政権救済へ“色気ありあり”

  1. 6

    消費税「食品ゼロ1年間」を参院選公約に…寄り切られた立憲野田代表の油断ならないバーター懸念

  2. 7

    国民を舐めているのか、この政府は…ガソリンは10円値下げ、狂乱高騰のコメは野放し

  3. 8

    石破内閣15大臣「GW外遊」に血税9億円超! 物価高で野党が異例の「反対」も前例踏襲でイケイケの無神経

  4. 9

    予測不能トランプ大統領と故・安倍元首相のウマが合ったワケ…共通するのは「メディア介入」「官僚組織の破壊」「分断の政治」

  5. 10

    党首討論ねっとり30分…与野党2トップ自民石破&立憲野田が「見つめ合う」気味悪さ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ