著者のコラム一覧
相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

文書を処分したか?の問いを完全スルー…財務省の答弁で透けて見えた「やはり文書はある」

公開日: 更新日:

■「廃棄しました」と答えれば済むこと

 この問いへの答えは「捨てた」か「捨ててない」かどちらかしかない。これまでの説明通り本当に捨てたのだとすれば「廃棄しました」と答えれば済むことだ。なのに質問をスルーして答えないのはなぜか? 「捨てた」と答えればウソになるし、「捨ててない」と答えれば文書を出さねばならなくなる。それを避けるために答えられなかったとしか考えられない。

 その後の質疑で、安倍昭恵さんと森友学園理事長夫妻のスリーショット写真を提示された際の応接録が欠落していることについて、「現在、開示に向けて速やかに作業をして進めているところですが、ご指摘の文書は発見されておりません」と答えている。発見も何も捨ててしまったなら見つかるはずはない。やはり捨ててはいないのだろう。

 最後に辰巳議員は独自に入手したという財務省の7年前の内部文書を示した。そこには「近畿財務局と理財局のやりとりについては、最高裁まで争う覚悟で非公表とする」と記されている。これらの文書を出すつもりがあるのか問われて財務省は答えた。

「相当量の文書について(開示)作業を進めているところです。その中に近畿財務局と本省とのやりとりも含めて開示作業自体はさせていただいています」

 いずれ開示すると約束した形だ。もちろん欠落文書もすべて開示すべきだろう。捨ててはいないはずだ。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  4. 4

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  5. 5

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  1. 6

    まさかの故障で失意の最中「お前はラッキー」…トシさんの言葉がなければ今の俺はいない

  2. 7

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  3. 8

    米倉涼子の"体調問題"が各界に波紋…空白の1カ月間に一体何が? ドラマ降板情報も

  4. 9

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  5. 10

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情