「徳川将軍の側近たち」福留真紀著
「徳川将軍の側近たち」福留真紀著
江戸幕府における将軍側近の政治への関わり方から徳川政治を読み解く歴史テキスト。
4歳で将軍に就任した第7代・家継などは、自ら政治に関わることはできないが、幕政運営が滞ることはなかった。
それは政務を行う幕閣の背景に「将軍権威」があったからだという。このように将軍が自ら政治手腕を発揮しなくても政務が滞らないシステムは4代将軍・家綱の時代に成立したと考えられている。
幕府創成期の初代と2代の時代は、戦国時代から仕えた家臣たちが幕府の諸職を構成。生まれながら将軍家だった3代、4代は幼少時から仕えていた側近が将軍就任時に政治中枢に関わる役職に就いた。
以降、11代まで、将軍個人に仕える側近たちがどのように政治に関わったのかを、代々の将軍の政策を追いながら解説。
(文藝春秋 1067円)