アクション・エンタメを標榜する「DOPE 麻薬取締部特捜課」は過去の名作にどこまで迫れるか
週末の夜に楽しむエンタメとして悪くない。金曜ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」(TBS系)である。
物語の舞台は近未来の日本だ。そこでは謎のドラッグ「DOPE(ドープ)」による事件が頻発している。この麻薬には、脳の働きを急激に活性化させ、本人も抑制できないほどの運動能力や「特殊な力」を覚醒させる作用があるからだ。
立ち向かうのは麻薬取締部特殊捜査課、通称「特捜課」。所属するのは「異能力」と呼ばれる特殊な力を持つ面々だ。新人の才木(高橋海人)は未来予知。陣内(中村倫也)は動体視力。他にも腕力や聴力や記憶力に秀でた者たちがいる。
初回の、DOPE服用者「ドーパー」による人質立てこもり事件でも、各人の異能力が発揮されていた。異なる力を持つメンバーがチームとして戦うわけだが、映画「アベンジャーズ」などと比べるとその能力は地味な印象。標榜する「アクション・エンターテインメント」は今後に期待だ。
むしろ本作と比較すべきは2010年に同じTBS系で放送された「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」だろう。天才的な頭脳のヒロイン(戸田恵梨香)が、未来予知や念動力といった特殊能力(=スペック)を駆使する犯罪者たちに挑んでいた。そんな過去の名作にどこまで迫れるか、注目だ。