「世界の力関係がわかる本」千々和泰明著
「世界の力関係がわかる本」千々和泰明著
世界は国々の力関係によって平和を保ったり、逆に戦争になったりする。A国とB国がそれぞれ軍備を持つか持たないかを選ぶことができるとき、ベストな道はどちらも軍備を持たないことだ。
しかし、自国が軍備を放棄したのに相手国が軍備を持つと困るので、結局両国とも軍備を放棄することはできなくなる。人間社会の難しさは、良かれと思ってやった選択が、本来存在するはずのベストの道以外の結果を招いてしまうことにある。
本書は、力関係の変遷から、2度の世界大戦でおのおの異なる発生のメカニズム、そして、大戦の反省から生まれた集団安全保障という仕組み、さらに、核抑止力や戦争終結のジレンマ、新たな大戦の可能性まで、さまざまな視点から世界の力関係を読み解いたテキスト。
(筑摩書房 990円)