入寮ドラ1寺島にヤクルト初の高卒新人開幕投手の可能性
「やるべきことをやってきたようだね」
スカウトが感心した様子でこう言った。
ヤクルトのドラフト1位・寺島成輝(履正社)が6日に入寮。高校のブレザーからジャージーに着替えた姿を見た橿渕スカウトデスクが、「12月の入団発表時よりも明らかに引き締まっている。昨夏の甲子園時に近い感じに見えた」と話したように、体を絞り込んできた様子がうかがえた。
「目標? 最初に取れるのは新人王。将来は沢村賞を取りたい」
高い目標を掲げた左腕はドラフト指名後、「開幕一軍を目指したい」と、何度か口にした。太りやすい体質といわれる寺島が動ける体をつくってきたことは、目標に対しての意気込みの表れだろう。
高卒ながら即戦力としての評価も高い寺島。首脳陣はすでに一軍キャンプに帯同させる意向だという。
「トントン拍子でいけば、開幕一軍はおろか開幕投手を奪い取る力はある」とは、ある球界関係者。
「寺島は馬力、エンジンが大きい投手。下半身主導のフォームでストレートはキレと勢いがあり、プロでも十分に通用する。いい意味で力の抜き加減を知っているクレバーな投手だから、いきなり一軍で揉まれても自分を見失うようなことはないだろう。ヤクルトの開幕投手候補は小川、石川がいて、年俸150万ドル(約1・74億円)の高給助っ人・オーレンドルフ(レッズ)も期待が大きいが、昨季のヤクルト先発陣は総じて目立った成績を残すことができなかった。真中監督も『小川や石川で決まりではない。外国人やドラフトの選手みんなにチャンスがある』と言っている。今季の開幕戦は本拠地神宮のDeNA戦で、話題づくりにもなりますから」
高卒新人が開幕投手を務めたのは過去に3人(阪急・梶本ら)だけ。ハードルは高いが果たして……。