バッハ6月来日も実現せず? 海外から五輪中止通達に現実味

公開日: 更新日:

 国際オリンピック委員会のバッハ会長は17日から2日間の日程で来日する予定だったが延期が決まった。10日、組織委員会が発表した。

【写真】この記事の関連写真を見る(17枚)

 広島での聖火リレーの式典に出席することなどが目的の来日だったが、東京、大阪、京都、兵庫に出ている緊急事態宣言が31日まで延長され、愛知、福岡も同日まで新たに追加された。10日に発表された全国の重症者数は、過去最多の1152人。新型コロナウイルスの感染状況は悪化するばかり。「宣言中の訪日は困難」と判断されたわけだが、宣言が解除されれば6月の来日で再調整するという。

 東京五輪の開幕予定は7月23日。約70日後に迫っているが、開催の中止や延期を求める声は日に日に大きくなっている。

 それも当然だろう。コロナ感染による死者数は今年に入って急増。黄金週間直前の4月26日には1万人を超えた。菅首相が頼りにしているワクチンの接種は遅々として進まず、世界保健機関の発表によれば、今月2日までに国内で1回目を打ち終えた人の接種率は約2%。英国は50%を超え、米国でも約44%に達している。五輪開催国としては信じられない数字だ。ちなみに米国では2回目完了が約31%。ニューヨークでは観光客に無料でワクチンを打ちだした。

 ワクチン接種は大幅に遅れ、政府は人の流れを抑える効果策も打ち出せず、感染状況が6月に急激に改善されるとは思えない。バッハ会長の6月訪日も実現しないだろう。開幕前月は海外から大会中止のメッセージを送ることになるのではないか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然