大谷翔平はHR競争まさかの1回戦敗退…序盤1分間の連続凡打で焦り「力んで悪循環に」と評論家
優勝候補筆頭に挙げられながら、まさかの初戦敗退である。
エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間13日のホームランダービーに出場。日本人選手で初めてメジャーの長距離砲と本塁打争いを繰り広げたが、第1ラウンドで姿を消した。
先攻のフアン・ソト(22=ナショナルズ)が1分のボーナスタイムと合わせて22本で終了。大谷は今季途中まで同僚だったプホルス(現ドジャース)から激励の電話を受けて打席に立ったが、初めて経験する前夜祭の雰囲気にのまれたか、最初の約1分間はボテボテのゴロなど凡打を繰り返した。
5本のアーチを放って休憩を取ると、笑顔を見せながらも「疲れた!」を連発。今度はチームの主砲トラウトから電話で叱咤激励されて後半に臨み、追い上げる。17本を放ってソトと並び、勝負は1分間の延長戦に突入。両者6本ずつとまたも同点で、1人3スイングで争われる再延長にもつれ込んだ。
歴代4位156メートル弾
ソトが3スイング全てスタンドに叩き込み、ミスを許されない状況で大谷は最初のスイングで打ち損じて終了。出場8選手の中でトップの打球速度177マイル(約188.3キロ)をマーク。大谷はダービー史上4位タイとなる飛距離513フィート(約156.4メートル)を記録。500フィート(約152.4メートル)超えの当たりを6本放って1回戦の史上最多記録を更新するなど、前半戦メジャートップの33本塁打を放った実力の片鱗を見せつけたが、最後は若手スラッガーとの激闘に力尽きた。
テレビで観戦していた評論家の三井浩二氏がこう言う。
■「楽しかった」と最後まで笑顔
「ソトが22本塁打に終わったのを見た大谷は簡単にクリアできると判断したのでしょう。先発する球宴本番を見据えて早めに勝負をつけようと序盤から飛ばしましたが、いきなり凡打が続いて焦りが生じたと思う。普段ならしっかりととらえる低めの球を打ち損じたり、思い通りの打撃ができない苛立ちから力みも生じる悪循環に陥った」
敗れたものの、大谷は「楽しかった」と最後まで笑顔が絶えなかった。
優勝はピーター・アロンソ(26=メッツ)で、史上3人目の連覇を果たした。
■史上初の二刀流出場「1番・DH」特別ルールの先発登板
二刀流が、またひとつ歴史を塗り替えた。
日本時間14日のオールスター(コロラド州デンバー)でア・リーグの指揮を執るレイズのケビン・キャッシュ監督は同13日、会場のクアーズフィールドで会見。投打の二刀流で選出された大谷を先発投手で起用すると発表した。本番で大谷は「1番・DH」でスタメンに名を連ね、一回表に打席に立ち、その裏に指名打者としてマウンドに上がり、DH制を解除しない特別ルールが適用される。
球宴での二刀流出場は史上初めてのことで、日本人投手が先発マウンドに上がるのは1995年の野茂英雄(ドジャース)以来、26年ぶり2人目の栄誉となる。
ナ・リーグ先発のサイ・ヤング賞右腕ナショナルズのシャーザーと投げ合う大谷は「ピッチャーとして選ばれることもあまり予想していなかったので、先発投手に選んでいただいてすごく光栄に思う。期待に応えられるように精いっぱい頑張りたい」と話した。