松山英樹は首位に5打差の2位T マスターズ連覇は「グリーン」と「パー5」がカギ

公開日: 更新日:

【マスターズ】第2日

「難しいことはわかっているが、それを目指して頑張る」

 前年覇者の松山英樹(30)は開幕前、力強くこう語っていた。

 3月の「アーノルド・パーマー招待」で発症した首痛は完治はしていないものの、この日は痛みの不安から解放されたのか、力強いスイングでショットが安定。ドライバー飛距離は前日より約20ヤード伸び、フェアウエーキープとパーオン率もアップ。4バーディー、1ボギーの69で回り、通算3アンダー2位タイ。首位のS・シェフラー(25)に5打差なら、大会連覇の可能性も現実味を帯びてくる。85回の歴史で偉業を達成したプロは、J・ニクラス(1965・66年)、N・ファルド(89・90年)、T・ウッズ(2001・02年)の3人しかいない。今年30歳の松山は米ツアー8勝の実績を持ち、8年連続(2位タイ記録)でプレーオフ最終戦「ツアー選手権」に出場。その実力はツアーメンバーの誰もが認めるところ。連覇を達成しても不思議ではない。

 カギを握るのは何か? 97年のウッズ初優勝から12回現地取材したゴルフライターの吉川英三郎氏がいう。

「今年は大会前の雨によりグリーンがかなりソフトになっていたが、2日目も風が吹いて乾いてきた。3日目以降はいつもの硬い高速グリーンに戻るでしょう。速さの違いに対応できなければスコアを伸ばすことができない。首位に立つシェフラーは今季3勝で世界ランク1位。乗りに乗っています。マスターズは『初出場だった2年前はウッズと回り、昨年はミケルソンとプレーしてコースのことはよく学んだ』とコメントしていますが、特殊なグリーンの経験値は11回目の出場となる松山の方が上です」

 吉川氏が続ける。

「もうひとつのポイントはパー5です。昨年の松山の優勝スコアは10アンダー。パー5だけで4日間11アンダー(3イーグル、6バーディー、1ボギー)を稼いだ。週末は予選ほどの風は吹かない予報です。パー5でスコアを伸ばせないとシェフラーをつかまえることはできません」

 3日目が終わった時、5打差は広がっているか、偉業達成の可能性は高まっているか。

∇松山の話
「ジャスティン(・トーマス)が一緒にプレーをしていて、簡単に5アンダーを出していたので、引っ張られるような形でいいプレーができたと思う。悪くない位置で明日、あさってを迎えられる」

金谷は1打差足りず予選落ち

 3年ぶり2度目の出場だった金谷拓実(23)は1打及ばずに予選落ち。

「18番は(2.5メートルの)バーディーが取れたら予選通過のチャンスがあるかなと思った。いいパットをしたので悔いはない。今日も風が強く難しいコンディションだった。スタートからよくなかったけれど、あきらめないでプレーできた。苦しい2日間になったけれど、この経験は生きてくる」

 今年は1月から海外転戦を続けて世界ランクを上げ、PGAツアー参戦に挑んでいる。

中島啓太にアーメンコーナーの洗礼

 世界アマランク1位資格で初出場の中島啓太(21)が、2日続けて12番パー3の洗礼を浴びた。

 大会初日はイーブンパー19位タイの好位置につけ、松山英樹が初出場してローアマを獲得した2011年大会以来の快挙が期待された。

 ところがこの日は5ボギー、1ダブルボギーの79と大きく崩れて64位タイ。ローアマタイトルどころか、予選も通過できなかった。

「あれだけ短いパー3なのに、何で難しいのだろう。悔しい」(中島)

 大会初日はグリーン奥に外し、パターでのアプローチがグリーンまで届かずにボギー。2日目はグリーン奥の植え込みに打ち込み、アンプレアブルを選択。左足下がりのライからの3打目がグリーンに乗らず、4オン1パットのダブルボギーだった。

「チャンスが少なく、ピンチが多くて苦しいラウンドになった」(中島)

 メジャー独特の異様な雰囲気にのみ込まれ、力を発揮できずに終わった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ゴルフのアクセスランキング

  1. 1

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 2

    女子プロ下半身醜聞“3股不倫”男性キャディーは「廃業」へ…9年の出禁処分が与える致命的ダメージ

  3. 3

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  4. 4

    川﨑春花が2位発進「気持ちよく…」下半身醜聞を吹き飛ばす今季初優勝なるか

  5. 5

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  1. 6

    生源寺龍憲が国内賞金王争いを欠場する当然…“海外で活躍してナンボ”の風潮は加速の一途

  2. 7

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  3. 8

    第一線から退く谷口徹さんの「ひねくれキャディー愛」…表で皮肉も、裏での思いやりがすごかった

  4. 9

    下半身醜聞・小林夢果の「剛毛すぎる強心臓」…渦中にいながら師匠譲りの強メンタルで上位浮上

  5. 10

    逆ギレ前科あり小林会長は「都合よく選手を利用し、突き放す」…不倫騒動で対応のまずさ際立つ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ