原監督は完全試合に「すごいけど想像できる」と 巨人スカウトが今も悔やむ朗希1位指名回避

公開日: 更新日:

 巨人・原辰徳監督(63)が、10日のオリックス戦で完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希(20)について「すごいけど想像できる。恐ろしいよね」とコメントした。

 生え抜きの若手スターを渇望している巨人は2019年10月、当時のスカウト部長らがフィーバー中の大船渡・佐々木との面談に臨み、その後になぜかトーンダウンした。ドラフト前日、原監督は「1番評価をしている選手を1位指名? それは誰だと思ってる? 佐々木? やっぱりそうだよねえ……。でも巨人は奥川(恭伸=星稜、現ヤクルト)? まあ、そこはミステリアスでいいんじゃないか」とけむに巻いた。結局、巨人は奥川を1位指名。抽選で外し、外れ外れ1位で堀田賢慎(青森山田)を獲得した。原監督は「私の“独断”という部分で1位の決定は比較的早かった」と明かしていた。さる球界関係者がこう言った。

【写真】この記事の関連写真を見る(19枚)

「プロ球団との面談で、佐々木側はポスティング制度を使った早期メジャー挑戦の可能性について、各球団の感触を探ったそうです。巨人はこの時はまだ、ポスティングを認めていなかった。原監督は同じ頃、報道陣との雑談の中で『最近は入る前からいろいろ言う選手がいるようだけど、いかがなものかねえ……。まずは入ってからだと思うけどなあ……』と意味深なことを漏らしていた。その年の1番の選手を指名する方針がある巨人も原監督も、佐々木の能力を1番と評価しながらも、奥川に乗り換えざるを得なかった。この年のオフ、初めて山口俊にポスティングを認め、メジャーに送り出したのは、今後も佐々木のようなメジャー志向を持つアマチュア選手がますます増えると見込んだからに他なりません」

ポスティング移籍ならあと5シーズンは日本でプレー

 奥川は昨季9勝。堀田も今季プロ初勝利を挙げるなど台頭しつつあるが……。

「原監督が言うように、佐々木の1位指名回避は独断だっただけに、『やっぱり指名しておけばよかった』という声は、いまだにスカウト部内に根強いのです」(前出の関係者)

 ニューヨーク・タイムズ電子版は「ポスティングシステムを利用して移籍するとしても、25歳になるか、プロ経験6年を過ぎなければ国際海外FAの契約金枠の対象になる。佐々木は待たなければならないだろう」とし、大型契約を得られる25歳以降に海を渡ると予想した。仮に25歳まで日本球界に残るとすれば今季を含め、あと5シーズンはプレーすることになる。

 巨人は12日、初の沖縄での主催試合でDeNAに快勝したものの、原監督は佐々木の快投を知るたびに逃した魚の大きさを感じるに違いない。

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  3. 8

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃