“ダメ大関の見本市”が後押し 新小結大の里「来場所で大関昇進」への期待と懸念

公開日: 更新日:

 グッズの売り上げも、すでにトップクラスともっぱらだ。本場所で親方衆自ら売り子をする「親方売店」で、呼び込みを行っていた荒汐親方(元幕内蒼国来)が言う。

「今場所序盤、宇良が元気だったころは宇良グッズが大量に出ていた。後半になってからは大の里のグッズが、かなり出るようになりました」

 今場所は横綱照ノ富士をはじめ、大関貴景勝霧島と上位陣が立て続けに途中休場。初日は横綱、大関、関脇が全滅するという昭和以降で初の惨事が話題になった。土俵のレベル低下が叫ばれる中、若くてイキがいい大の里の出世は、相撲協会にとっても奇貨である。

 しかし、早すぎる出世は同時に不安ももたらす。

「全員が全員とは言わないが、若いうちに出世しすぎると傍若無人になりがちですからね。横綱になったのが22歳だった白鵬(現宮城野親方)をはじめ、26歳の千代の富士、23歳の双羽黒、22歳の貴乃花などを見ればよくわかる。師匠の教育が出世に追いつかず、若いうちからチヤホヤされるので、本人が勘違いしてしまう。大の里も今場所前に同部屋の未成年力士への飲酒強要を週刊誌に書かれ、協会から厳重注意を受けている。師匠も入門たった1年で部屋頭になった弟子には弱腰らしく、稽古中、大の里が自身の目の前で手を抜いても注意できないと聞いている」(角界OB)

 前出の芝田山親方も、「あとはもっと稽古をするべき。1時間の稽古で息があがっているようでは、まだまだだよ」と課題を口にしていた。ダメ大関の見本市のような現状では、大の里の早期の昇進を期待する声が出るのも当然ではあるが、「促成栽培」には不安も尽きない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  2. 7

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  3. 8

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 9

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  5. 10

    巨人が来秋ドラ1指名?明治神宮大会で躍動の青学大154キロ右腕・鈴木泰成は“4年越しの恋人”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?