甲子園で安打を放った4選手が教える「低反発バット対策」…スカウトは《選手を評価しづらい》と嘆き

公開日: 更新日:

「バットの形そのものが変わるわけじゃない」

 今春から導入された低反発バットが甲子園で“猛威”を振るっている。

 大会12日目の19日、関東第一(東東京)の高橋(3年)が打ったソロが、今大会7号。金属バット導入以降、過去最少だった1974年の11本をさらに下回る“勢い”である。

 19日時点で、夏に優勝経験のある強豪校は全滅。彼らの強力打線が「飛ばないバット」で封じられている面もあるだろう。

 健大高崎(群馬)の青柳監督は「今のバットはパワーも必要。パワーがないと振り回される」と言えば、早実(西東京)の和泉監督はむしろ「本来、打撃は選手自身の体に合わせたものでなければいけない。今回は自身の打撃を見つめ直す良い機会」と語るなど、指導者によっても考え方がさまざまな低反発バット。実際、このバットを使う甲子園でヒットを打った選手たちはどんな対策を取ってきたのか。

 掛川西(静岡)の佐藤駿斗(2年)が言う。

「長打が出にくいけど、芯に当たれば飛ぶ。僕は長打を打つタイプじゃないし、もともと低い打球を打つようにやってきました。最初は従来の金属バットよりも細くて違和感があったけど、バットの形そのものが変わるわけじゃないんで」

 同じく掛川西の鈴木脩平(2年)は「うちは日本で一番早く、低反発バットを導入したらしいですよ」と、こう続ける。

「打球が飛ばないから低い打球を打つのがカギ。長打は狙わず、低く低くと意識しています。去年の秋季大会の最初の頃は全然打てなかったけど、冬に振り込んで、春あたりから慣れてきました」

 93年ぶりにベスト8に進出した大社(島根)の下条心之介(3年)は監督やコーチから「長打は狙わなくていい」と指導されていたという。

「打撃練習の時から『フライは上げるな』と言われていました。秋季大会ではなかなか強い打球が打てませんでしたが、冬に1日1000本のティー打撃をして、振る力が強くなりました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    “児童ポルノ”で衝撃逮捕!日本サッカー協会・影山技術委員長の素性…「精神的な負担を抱えていた」の声も

  4. 9

    奈良の鹿愛護会が語った現場のリアル…「シカさんをいじめるな!」の裏に横たわっている大問題

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発